【快眠コラム】災害避難と睡眠環境

2024年1月30日

神川 康子

咄嗟の判断はできないもの

2024年が明けた1月1日の夕方16時10分、一瞬にして日常を奪う震度7の地震が能登半島を襲いました。

私も富山市内において人生初の震度5強の長い揺れを体験し、頭での想像とは全く異なる恐怖とその後の途切れの無い不安感を実感しました。

阪神淡路大震災も東日本大震災も距離は離れていても揺れを体験し、多くの事を学び防災意識は高い方だと自覚していましたが、いざ携帯からのけたたましい緊急速報が鳴り、予測以上の揺れが来ると冷静な判断ができにくいことも分かりました。

津波警報では自宅にとどまるのが良いか、高台に逃げたほうが良いのか、家族で意見が異なり戸惑いました。
後日、車社会の田舎町では高台に向かって車が渋滞したとの事でした。
私は時々山にも行くので、スマホに標高アプリを入れ、日頃から標高をチェックする習慣があり、外に出ない方の判断をしました。

状況から何を取捨選択するか

これまでの地震・災害体験で学んだことから、自分がその時置かれている状況(季節、日時、時間帯、仕事中か休日か、社会環境、地形、家族状況、等々)で、何を優先し、取捨選択するかがとても重要だと改めて実感しました。

人生は日常でも非常時でも意思決定の連続だと思いました。

災害時に備えて

前置きが長くなりましたが、能登半島地震で、もともと準備していた災害用持ち出しリュックの中身と置き場所を見直しました。

自宅玄関と通勤用の車に装備し、2021年1月8日の大雪による立ち往生の経験を踏まえて、車にスコップやスタック緊急脱出グッズはもちろん、飲料水、携帯用トイレ、毛布を追加しました。

さらに、今回の地震を踏まえてリュックに避難時の簡易寝具、暖を取る時に役立つ新聞紙を加えました。  

改めて感じる寝具の重要性

地震後のニュースで流れてくる避難所で生活する人々が、十分な寝具もない中で座布団を並べて寝ておられる姿や、ビニールハウス内で共同生活をされる様子から、長期避難生活にはやはり十分に身体を休め、暖を取る寝具が重要だと切実に感じました。

災害直後は、飲料水や食料、トイレやお風呂などが切迫しますが、避難が長引くにしたがって、夜暖かくして眠れる環境が無いと災害関連死を予防することは難しいだろうと思いました。

支援物資提供のお知らせ

助かった命が、また元気になって頂きたいと、今回、エムールでは石川県、富山県に災害用&アウトドア用の「スーパー・ウルトラ・コンパクトふとん」100組を支援物資として提供することにしました。

アンケートご協力のお願い

本記事の著者であり、エムールの睡眠・生活研究所の所長でもある神川康子から、アンケートのご協力のお願いです。
できるだけ多くの方々から広くデータを集め、睡眠の質を高めるための生活習慣の取り組みをどのくらいなされているのかを調査しています。
3分程度で完了する簡単なアンケートになっており、結果はこちらのメディアでも開示予定です。
よろしければご協力をお願いいたします。

睡眠の質を改善するための生活習慣改善の取り組みアンケート

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執筆者/監修
Author

神川 康子

富山大学 名誉教授 博士(学術) 。一般社団法人日本睡眠改善協議会理事。日本眠育協議会理事。富山県公安委員会委員。富山県社会福祉協議会理事。40年以上に渡り、睡眠研究を行う。年間50回を超える講演を通して、睡眠教育の啓発に尽力。睡眠環境学入門ほか寄稿多数。