専門家に聞く"満足度の高い対面による睡眠教育、睡眠相談とは?"

専門家に聞く"満足度の高い対面による睡眠教育、睡眠相談とは?"

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少人数での睡眠相談会

エムール睡眠・生活研究所の所長で富山大学名誉教授の神川です。これまでは教育現場の教職員や保護者、小・中・高の児童・生徒さんや企業の研修会などで、50人、100人単位で睡眠の重要性を科学的にお伝えする機会がほとんどでした。ところが今年は少人数の睡眠相談をお受けするワークショップのような機会を何回か頂きました。
今回は、"満足度の高い対面による睡眠教育、睡眠相談"について、2つの事例をご紹介したいと思います。

Case.1 日本橋とやま館にて

先日、富山県のプロジェクトで睡眠改善をコンセプトとした商品開発を試み、その試作品を検証し、日本橋とやま館(富山県のアンテナショップ)で広報する機会をいただきました。ワークショップの中で、参加者から睡眠相談を受けるという内容でした。
最初は応募者がいるのか?東京までスタッフと出かけて2時間程度の相談会ではコスパが悪いのではないか…と感じていた私の心配は見事に裏切られ、対面相談の意義を大いに感じ、目から鱗でした。

お悩みを共有することで得られた笑顔
計2回行ったワークショップのうち、1回目はテレビ局の取材も入ったのですが、参加者の皆様は、カメラの前で悩みは言いたくないと厳しい表情でしたので、取材陣の皆様には別の場所で待機して頂き、一人ひとり相談を受けることにいたしました。

ご相談内容の一例※プライバシーに配慮して表現を変更しています
「睡眠に良いと言われる事、何をしても眠れません」
「病院で薬を処方してもらっていますが、できれば薬を使わず眠りたいです」
「夜中に目が覚めたら、そのあと全然眠れないんです」などなど

それぞれの方に合った生活行動や睡眠環境、リラックスの仕方などの意見交換をしているうちに、どんどん表情が和らぎ、そのうち「試してみます!」「そうだったんですね」と笑顔さえあふれて、何をしても眠れないとおっしゃっていた方が、取材カメラの前で笑顔で対応してくださいました。

この時に初めて、大人数対象の講演とはいく味も違った手応えや満足度が得られることを実感しました。本当の満足はface to face、直接の会話によって得られると。これまでオンライン講演もたくさん実施してきましたが、なぜか「もやっと」した気持ちが残る理由が分かった気持ちになりました。日常もSNSだけでは伝わらない!という実感も。

Case.2 一泊二日の睡眠リトリート

さらに、12月に入って、立山の麓の自然豊かな場所にある再生古民家で、実際に眠ってもらう1泊2日の体験型イベント「睡眠リトリート」を行いました。
7~8名の希望者とひざを突き合わせた対話からは、一人一人の具体的な睡眠の悩みや、どのような睡眠を期待するのかなどを詳細に伺うことができ、睡眠改善の知識の共有とともに、睡眠をサポートする様々な商品を体験してもらうことで、眠りが変わることを実感して頂きました。

リラックスしながらのフリーディスカッション
1日目の夕方16時に集合し、ゆったりした空間でリラックスできるハーブティを飲みながら、睡眠に関するお悩みや知りたいことを共有しました。

お悩みや知りたい内容の一例※プライバシーに配慮して表現を変更しています
「子育て中は夜も細切れにしか睡眠がとれません」
「日々忙しすぎて、毎週出張もあり完全に睡眠不足です」
「旅行業に従事しているので旅行と睡眠に興味あります」
「映像に関する仕事をしていて就寝直前までパソコン観ているのですがやはり良くないですか」
「いびきも歯ぎしりも寝言もあるのですが」
「健康の秘訣としての睡眠のとり方に興味があります」などなど

それぞれとても意識の高い方々が集まられていることが分かりました。職業も皆さん異なり、お互いの生活に興味津々、いつの間にか主催者も参加者も忘れ、時間も忘れて熱い議論の展開となりました。

家族と過ごすような団らんの時間
議論の間に、管理栄養士の方が事前に打ち合わせておいた睡眠に良い夕食の準備を整えて下さり、19時頃からは燭台の光の下で和やかにおしゃべりしながら地域の食材たっぷりの鍋料理を頂きました。まるで家族の夕食のような雰囲気になっていました。
食事後も眠りに良い入浴の仕方として湯船に15分位はゆっくり浸かること、就寝前は照明を落としてリラックスすることや、ハーブを使った芳香浴なども体験し、心地よい寝具やパジャマ、とやまの美のこわけで提案しているハト麦エキスを練りこんだ繊維で作った枕カバーなどを体験してもらいました。

朝日、朝食、心地よい時間
朝は7:30頃から羽釜で炊いたご飯に、再び管理栄養士の方が準備して下さった富山の食材尽くしの朝食。その後、自律神経を整える呼吸法や心地よい音環境の体験もして頂き10時に解散となりましたが、皆様、異口同音に「よく眠れた」「忙しい日常からたまには抜け出し非日常の心地よさを思い出すことも大切」「明日からまた頑張ります」と帰って行かれました。

忙しすぎて、責任が重くて、すっかり忘れていた「心地よさ」「心地よい眠り」の感覚を思い出していただけると、乱れがちな生活の中でも、取り戻したい生活の芯を持っていただけると感じました。

体験による睡眠教育

これまでも教育に携わってきた50年間、理論と実践を重視し、「知識として知っていることと、実際に行動できることは天と地ほど異なる」と言ってきたので、ここでも体感した後に日常生活に戻られても、ご自身で実践して頂ける体験は、とても貴重で重要だと再確認しました。
聞いただけ、読んだだけの知識は3日坊主で終わりそうなのですが、体験したことの実感は、様々な感情、特に心地よさとともに脳の神経回路に刻まれ記憶に定着することを参加者とともに感じることが出来ました。
これからも睡眠教育の講演だけではなく、「百聞は一見に如かず」を実践して頂く機会を多く設けていきたいと思います。

2026年も睡眠相談会を開催します
1月に金沢で、3月には日本橋とやま館で3回目の睡眠相談会を開催します。睡眠や生活を変えていきたい、今年こそ実践していきたい!という方はぜひご参加いただければと思います。詳細はエムールまでお問い合わせください。
また、エムールが運営している体験ショールーム(立川店・南青山店)でも、身体にあった寝室環境の「心地よさ」を体験して頂けます。睡眠相談は敷居が高い…という方は、まずはマットレスやまくらなど、身近なものから相談、体験してみてはいかがでしょうか。

エムール体験ショールームについて

マットレスやベッド、高座椅子・リクライニングチェア等の製品を体験できるインテリアショールームで、予約制で最大45分間、専門スタッフがお客様の心地よい体験をサポートしてくれます。 立川店にはトップアスリートが練習帰りに立ち寄られ、2024年にオープンした南青山店にはタレントの方もお越しになるそうです。
私のいる富山県と東京都を繋ぐ北陸新幹線(E7系)とコラボした椅子が体験できると、若い世代の方も訪れるきっかけになったようで、現在は山形新幹線(E8系)とコラボした椅子が試せるそうです。休息姿勢は年を追うごとに痛みや健康課題が大きくなっていきますので、若い世代が姿勢に注目することはとても良いことだと思います。

エムール体験ショールーム

今日から実践できる睡眠改善方法

睡眠教育を実施してみようという教育者の方、保護者の皆様、企業内の人事や健康管理を担当されている方、ぜひ下記のURLから「睡眠を改善する生活習慣15項目」に答えてみて参考にしてください。 昨年までの睡眠研究で、この15項目から3つを選んで2週間チャレンジして下さると、61%の方で睡眠が改善したという結果になりました。残りの39%に入りそうな方はもうあと2項目を加えてみて下さい。

睡眠の質を改善するための生活習慣改善の取り組みアンケート


すいみん・かるた

家族や職場で睡眠を改善したい方のために「すいみん・かるた」(dreams come true=良い眠りは人生の夢を実現する)を作成しました。お子様との学びの場でぜひご活用ください。大人にとっても学びのある内容になっています。

 

すいみん・かるたの詳細

 

脳とすいみんはともだち

今年の8月にようやく「脳とすいみんはともだち」というボードゲームが完成しました。スマホゲームとは異なり、サイコロの目に沿って進むアナログでシンプルなボードゲームは、仲間とコミュニケーションをとりながら脳をリフレッシュし、元気にしてくれます。学校やご家庭で使ってみたいという方はお気軽にエムールまでお問い合わせください。

 

睡眠環境と習慣を学びたい方におすすめ

【PR】睡眠環境と睡眠習慣を体系的に学びたい方、知識はあってもなかなか実践できないという方には、エムール睡眠・生活研究所(所長:神川康子)と通信教育のユーキャンが共同開発した『睡眠セルフマネジメント講座』がおすすめです。テキストで睡眠のしくみや、睡眠の質を高める実践法などの知識を身につけながら、副教材やアプリで睡眠のくせを見える化!2つの学習を進めていくことで資格取得と快眠習慣の定着、両方を目指せます。

睡眠セルフマネジメント講座の詳細


いずれもリンクフリーです。ぜひ睡眠教育の実践にお役立ていただければと存じます。