マットレスのカビ対策|3つの原因と予防から除去方法を解説
2023年1月23日
エムール睡眠・生活研究所
目次
マットレスを長く使用するためにはカビ対策が欠かせません。カビが繁殖する条件と発生させない予防策、そして生えてしまった場合の除去方法を知っておけば、マットレスのカビを防ぎつつ快適に使用できます。
今回はマットレスのカビ対策が必要な理由と繁殖の条件を始め、今日からできるカビ予防と生えてしまった場合の除去方法を紹介します。
マットレスのカビ対策の必要性
カビが生えたマットレスを使い続けると、健康に悪影響を及ぼすと言われています。寝転んだ際に浮遊したカビを吸い込むと、人によってはアレルギー性鼻炎や皮膚炎、肺炎、喘息などを引き起こすことも。
快適な睡眠を叶えるだけではなく、健康的な生活を送るためにも、マットレスのカビ対策は重要です。
マットレスにカビが生える条件
マットレスにカビが生える条件は、気温・湿度・汚れの3つです。すべてが揃うとカビが大繁殖し、マットレスが真っ黒になってしまうことも。各条件を詳しく紹介します。
条件①気温が20~30℃
カビが繁殖しやすい気温は、20~30℃と言われています。特に25℃を超えると活動が活発化し、繁殖が進みやすくなるそうです。
20℃は冬場、25℃は夏場に人が快適に感じやすいとされる気温です。室温を快適に調整していると、知らず知らずのうちにカビが繁殖しやすい条件を満たしてしまいます。
ただ、室温を20℃以下にすると体の冷えにつながってしまうため、他の2つの条件に該当しないよう意識してはいかがでしょうか。
条件②湿度が60%以上
カビは湿度が高い場所を好む性質を持ち、60%を超えると活発化します。繁殖を始めるのは湿度70%で、80%以上になるとその勢いが増すそうです。
特に冬場は乾燥を防ぐため、加湿器などで湿度を上げる人が多いですが、「室温25℃以上+湿度70%以上」の条件を満たすとカビが繁殖しやすくなります。
条件③汚れている
カビはホコリや食べかすといったゴミや、人の髪の毛やフケ、皮脂などを栄養源としています。マットレスに付着した汚れは、カビにとってごちそうです。
温度と湿度、そして栄養源となる汚れの3つが揃うとカビが大繁殖してしまうため、毎日しっかり掃除して、マットレスが汚れないよう注意しましょう。
マットレスにカビが発生する原因3つ
カビが生える3つの条件を押さえたところで、続いてはマットレスにカビが発生する具体的な原因を見ていきましょう。
原因①マットレスを床に直置きしている
人は寝ている間に汗をかいています。ベッドフレームを使用していればマットレスと床の間に隙間があるため、汗による湿気を逃がせます。
しかし、直置きしていると湿気の逃げ場はありません。マットレスの内部に湿気が溜まっていき、カビの発生につながります。
原因②マットレスに敷きパッドなどを敷いていない
通常、マットレスは上に敷きパッドやベッドシーツを敷いて使用します。単体で使用していると、マットレスが寝汗を直に吸収してしまい、湿気や汚れの蓄積につながります。
原因③敷きパッドやシーツを洗濯していない
マットレスの上に敷きパッドやベッドシーツを敷いていても、洗濯していないと汚れが蓄積した状態です。皮脂や汗、髪の毛などが付着した寝具を敷いたままにしておくと、マットレスも汚れてしまいます。
マットレスのカビ対策8つ【予防】
マットレスのカビ予防は、主に湿度と汚れ対策を意識しましょう。今日からできるカビ予防を8つ紹介します。
予防①部屋の湿度を下げる
カビ予防は、湿度の高いお風呂やキッチンなどと同じく、部屋も換気をして湿度を下げることが大切です。可能であればマットレスを使用する部屋に湿度計を置き、湿度が70%を超えたら窓を開けて換気することをおすすめします。
予防②マットレスを床に直置きをしない
マットレスの直置きはカビの発生につながるため、ベッドフレームの上に置いて使用しましょう。
ベッドフレームがない、部屋を広く使用したいなど、何らかの理由でマットレスを直置きする場合は、すのこの使用がおすすめです。マットレスの下に敷くことで床との隙間が生まれ、寝汗などによる湿気を逃がせます。
予防③定期的にローテーションさせる
マットレスを同じ向きで敷いたままにしておくと、特定の部分に寝汗や皮脂、フケなどが溜まりやすくなります。また、同じ部分に負荷がかかり続けることで、マットレスの劣化にもつながることも。
カビの発生を防ぐため、そして長く使うためにも、マットレスは3ヵ月に1度を目安にローテーションさせましょう。
予防④ベッドパッド、除湿シートを使う
マットレスが吸収する寝汗を少しでも防ぐため、そして清潔さを保つために、ベッドパッドを上に敷きましょう。汗をかきやすい夏場は、厚手のベッドパッドがおすすめです。
その他、マットレスの下に除湿シートを敷くと、ベッドパッドでは吸収しきれなかった湿気を除去できます。
予防⑤寝具は定期的に洗濯・交換する
部屋の湿度を下げていたとしても、寝具が汚れたままだとマットレスにカビが生える恐れがあります。ベッドパッドやベッドシーツ、除湿シートなどの寝具は敷いたままにせず、1~2週間に1回を目安に洗濯・交換しましょう。
予防⑥マットレスを定期的に干す
部屋を換気したり、他の寝具を使用したりしても、マットレスの内部には少なからず湿気が溜まっています。天日干しや陰干しが理想ですが、難しい場合はマットレスを壁に立てかけるだけでも十分です。マットレスがカビないよう、最低でも月に1回は干しましょう。
予防⑦カビ防止スプレーを使う
日々のお手入れを少しでも楽にしたい場合は、市販のカビ防止スプレーを使用する方法があります。マットレスにスプレーすると防カビ剤がコーティングされ、カビの発生を抑えられます。
予防⑧ベッドフレームは通気性の良いものを選ぶ
ベッドフレームを新たに購入する場合は、通気性を重視するとカビ予防につながります。ベッドフレームの中で特に通気性に優れているのは、すのこベッドです。隙間があるので湿気が逃げやすく、カビの発生リスクを低減できます。
マットレスのカビ対策4つ【除去】
すでにマットレスにカビが生えてしまった場合も、程度によっては除去できる可能性があります。自分でできる方法と、業者に依頼する方法を紹介します。
除去①カビの除去スプレーを使う
市販のカビ取りスプレーの中には、マットレスに使用できるものもあります。基本の使い方は、カビが気になる部分にスプレーして30分ほど放置するだけと簡単です。
ただし、マットレスが変色、または色落ちすることもあるので、まずは目立たない部分で試しておきましょう。
除去②消毒用エタノールを使う
ドラッグストアなどで購入できる、消毒用エタノールもカビの除去に有効です。試す際はマスクと手袋を使用して、カビの吸引を防ぎましょう。
<用意するもの>
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル
- キッチンペーパー
- 汚れても良いタオル
- お湯
- ドライヤー
<手順>
- カビをキッチンペーパーで簡単に拭き取る
- 消毒用エタノールをスプレーボトルに移す
- カビが気になる部分にスプレーし、1時間ほど放置する
- タオルをお湯で湿らせ、叩くようにしてカビを拭き取る
- 濡れた部分をドライヤーで乾かす
除去③丸洗いする
ファイバー製のマットレスの中には、水洗い可能なものがあります。カビが気になったら早めに洗濯することで、除去だけではなく予防にも期待ができます。
<手順>
- マットレスを浴槽に移動させる
- マットレスのカバーを外す
- 40℃以下のぬるま湯でマットレスを洗う
- ホコリの少ない場所で陰干しして乾かす
なお、マットレスの洗濯可否は製品に付いている洗濯表示タグで確認可能です。洗濯桶マークにバツ印が付いている記号は家庭での洗濯不可を表しているので、その場合は洗ってはいけません。
除去④業者に依頼する
自分でカビ取りを試しても除去できなかった場合は、専門業者に依頼する方法があります。費用の目安は1万円からと、自分で行うよりもかかりますが、カビを確実に除去してくれるので、試す価値はあるでしょう。
カビ対策におすすめなのは三つ折りマットレス
マットレスの買い替えを検討している人におすすめなのは、三つ折りのマットレスです。三つ折りマットレスの多くは軽量です。持ち運びや、干すための立てかけを手軽に行えます。扱いが簡単なので、日常のカビ対策をしやすいですよ。
気温・湿度・汚れに注意してマットレスを快適に使おう
カビが発生・繁殖する条件は、高い気温と湿度、そしてカビの栄養源となる汚れの3つです。これらに注意すればカビの発生を予防でき、快適な状態で長く愛用できます。
もしカビが生えてしまった場合も、除去スプレーや消毒用エタノールを使うと除去できる可能性があります。万が一、除去できなかった場合は業者に依頼するか買い替えを検討してはいかがでしょうか。