子どもの寝相が悪いのですが…

寝相が悪くても大丈夫
寝相が悪いと相談された際、まず安心していただくためにお話しすることが3つあります。自在に寝返りができている
寝相が悪いということは、筋力があり自在に寝返りができるということです。 新生児や寝たきりのお年寄りなどは、自力で寝返りができないので介助が必要になります。寝ていても五感が働いている
睡眠中の無意識の中でも五感が働き、暑い・寒い・明るい・うるさいなどの感覚が脳に伝わると体が動くことがあります。 布団の中の温度調節や、眩しさ、騒音を防御するために布団を蹴ったり探したりする行動などが例に挙げられます。 寝ていても五感センサーが正常に働いて、体や寝具内の環境を調節しているのです。安心して眠れている
以前、「妻の寝相が悪い」と訴えられた男性がありましたので、私はすぐに「安心して寝ておられる証拠です」と答えました。 安心感が無いと眠りは深くなりません。 災害時などの命の危険が迫るような不安な時は、緊張感から眠れないか、寝たとしても眠りは浅く、すぐに逃げられる寝姿になります。 動物も、強くて命が奪われる危険の少ないライオン(ネコ科)などは寝相が悪く、草食系の馬やキリンなどは自然界ですぐに逃げられるように立ったまま眠ります。 寝相は「体力・筋力」、「環境(温度・湿度・騒音・明るさなど)」、「精神的な安心感」に左右されるのです。眠りを深くするための改善点とは

寝返りが少ない理由
寝返りが少ない理由としては、睡眠時間が短すぎること、睡眠不足が常態的になり睡眠負債が蓄積していること、筋力が低下して動きにくいことなどが考えられます。 自分の睡眠習慣を睡眠日誌やデバイス(時計型の測定器など)で把握してみるのも良いでしょう。寝返りが多い理由
反対に寝返りが多い人は様々な原因が考えられます。 まず、寝室が適正な温度、湿度になっているかを確認しましょう。 7月のコラムにも書きましたが、夏は26℃以下、冬は16℃以上にした方がよいでしょう。また、パジャマやマットレス、掛け布団、枕によっても寝相や寝返りは変わります。 フードやボタン、結び目などが気になる寝間着では眠りが浅くなり、寝返りが多くなります。 枕が合わないと、上下左右に動かしたくなったり、いびきや逆流性食道炎を悪化させてしまったりすることもあります。 硬すぎるマットレスでは血流が滞り手足がしびれる、柔らかすぎるマットレスでは寝返りに力が入って眠りが浅くなる、などの症状が現れることがあります。 掛け布団にはかなり個人の好みがあるようですが、軽さ、重さ、肌触り、側生地やカバーの色柄すら就寝前の心地よさに影響して睡眠を変化させます。
良質な睡眠ほど寝返りは適正になる

早期発見が改善のカギ

- 下肢に違和感を感じ頻繁に動かすことがある ⇒むずむず脚症候群や周期性四股運動障害の可能性があります。
- 睡眠中にベッドパートナーや周囲の壁などに暴力的な行動をしたり、夢を見て四股や身体が動き、うめき声を発することが頻繁にある ⇒レム睡眠行動障害も疑われ、それがパーキンソン病やレビー小体型認知症を予見できる場合もあります。