寝違えの原因は枕?メカニズム・症状と寝違いにくい枕も紹介
2024年9月13日
エムール睡眠・生活研究所
目次
寝違えると首や肩が痛み、時として日常生活に支障をきたします。寝違えの原因は複数ありますが、自分に合っていない枕の使用も要因の一つです。頻繁に寝違える人は、枕を見直すと改善できるかもしれません。
そこで今回は、寝違えのメカニズムと症状を始め、寝違えと枕の関係性、寝違えにくい枕の選び方、対処法などを紹介します。
寝違えるメカニズムと主な症状・対処法
寝違えとは、起きたときに首や肩に痛みを覚える状態のこと。首を動かすと少し痛い程度のこともあれば、痛みによって首を動かすのが困難で、日常生活に支障が生じる場合もあります。まずは寝違えるメカニズムと、主な症状から見ていきましょう。
寝違えのメカニズム
寝違えのメカニズムは解明されておらず、原因に関してもさまざまな意見があるようです。ただ、首に負担がかかると血流が悪くなり、首や肩周辺の筋肉・神経に影響が出るものと考えられています。
寝違えの主な症状
寝違えたときは首や肩に痛みを感じやすいですが、その他の部位に症状が現れることもあります。
- 首、肩に痛みがある
- 痛みによって首を動かせない
- 首の可動域が狭まる
- 上方向を向けない
- 首の痛みに加えて腕のしびれもある
これらの症状は数日から1週間ほどで改善されるのが一般的ですが、あまりにも痛みがひどい、または痛みが続くようであれば病院を受診しましょう。
寝違えたときの対処法
寝違えたときは痛みを感じる方向に首を動かさず、安静にすることが大切です。首や肩に痛みがあるときは、ストレッチやマッサージを控えましょう。痛みを緩和するために行っても、患部に負担がかかって悪化してしまう恐れがあります。
枕が寝違えの原因になることも
不自然な寝姿勢は首に負担をかけ、血流の悪化を招きます。良い寝姿勢を維持するには、自分に合う枕の使用が大切です。枕の高さや硬さ、サイズなどが合っていないと寝姿勢が崩れたり、寝返りが打ちづらかったりと、良い姿勢で眠れず寝違えにつながりやすくなります。
首や肩のコリ、ストレートネック対策として人気を集める、タオル枕にも注意が必要です。タオル枕は高さの調整がしやすい一方で、睡眠中にずれやすいデメリットがあります。寝返りによって形が崩れると、良い寝姿勢を保てずに寝違えが生じるかもしれません。
なお寝違えが気になった人や、普段使っている枕が合っていないと感じる人の中には、「そもそも枕を使わない方が良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、枕は首を支えるために必要です。自分の体に合う枕を使用すれば、寝違える頻度を減らせるでしょう。
今使っている枕が自分に合っているのか不安な人は、ぜひ以下の記事を参考にしてみてください。
寝違えにくい枕の選び方
寝違えにくい枕を見極めるポイントは、良い寝姿勢を保てるかどうか。高さ、サイズ、硬さの3点に着目しましょう。
自分の寝方に合う高さの枕を選ぶ
仰向けと横向きでは適した枕は異なります。
仰向けで寝ることが多い人
横から見たときに、首の骨が自然なS字カーブを描いている枕が仰向き寝に適しています。高すぎても低すぎてもS字にはならないので、実際に頭を乗せて比較してみると良いでしょう。
横向きで寝ることが多い人
横向き寝に適しているのは、首から背中までの骨が真っすぐになる枕です。首や肩に余計な負担がかからないため、寝違えを防ぎやすくなります。
理想の枕の高さと、合わない場合の対処法はこちらの記事をご覧ください。
寝返りを打っても余裕のあるサイズを選ぶ
人は8時間の睡眠で20回ほど寝返りを打つといわれています。横幅の短い枕だと、寝返りを打っているうちに頭がずれ落ちてしまうことも。首が固定されず、睡眠の質や寝姿勢の悪化につながるので注意が必要です。
寝返りが打ちやすいのは、頭3個分の横幅がある枕です。中心に寝た後、左右に寝返りを打っても頭が枕の上にあるので、良い寝姿勢を維持できるでしょう。寝返りが大きい、または激しい人は、もう少し余裕のあるサイズを選んでみてはいかがでしょうか。
リラックスできる硬さの枕を選ぶ
枕の硬さは寝返りの打ちやすさや、首元の固定に関係します。柔らかすぎると頭が沈み込みすぎてしまい、寝返りが打ちづらくなります。
一方、硬すぎると後頭部が枕にフィットしません。枕と首元の間に隙間が生まれ、首が固定されないため寝姿勢が崩れやすくなります。
なお、枕の硬さは中材の素材によって異なります。
硬さ | 素材 |
---|---|
柔らかめ | ・ポリエステルわた ・羽根 ・クラッシュラテックス ・低反発ウレタン ・ラテックス ・超極小ビーズなど |
硬め | ・ポリエチレンパイプ ・高反発ファイバー ・高反発ウレタン ・そば殻 ・小豆 ・ヒノキなど |
硬さの感じ方は個人差があるので、可能であれば店頭で触れて確かめることをおすすめします。
尚、専門家のガイダンスを受けながら、自分に合った枕選びをしてみたい方はこちらをご覧ください。
寝違えを防ぐために避けたい行動・習慣
寝違えは首周辺の筋肉の疲労や、血行不良によって生じます。そのため、寝違えが起こるのは枕だけが原因とは限りません。自分に合う枕の使用に加えて意識したい、NG行動・習慣を紹介します。
同じ姿勢の維持
デスクワークやゲームなど、イスに座って同じ姿勢を維持すると首周辺の筋肉が凝り固まります。筋肉の柔軟性が損なわれたり、血流が悪化したりすることで、寝違えにつながることがあります。
筋肉の疲労
筋肉の疲労も寝違えの原因とされます。激しい運動や仕事などによって疲れが溜まっていると寝違えやすくなるので、適度に休憩をする、ストレッチを習慣化するといった対策を心がけましょう。
ソファや床での睡眠
ベッドや布団以外の場所で寝ると、良い寝姿勢を維持できません。首に負担がかかりやすくなるため、ソファや床で寝るのは避けたいところです。
お酒を飲んでからの睡眠
お酒を飲んでから眠ると、血流や感覚の兼ね合いで寝返りを打つ回数が減るといわれています。寝返りには血流を促す効果があるので、回数が減ると寝違えやすくなるものと考えられます。
寝違えたときに使える痛み防止グッズ
枕選びにこだわっても、起きているときの姿勢や疲労が原因で寝違えてしまうことも。寝違えを完全に防ぐのは難しいので、痛みを抑えるのに役立つグッズを用意しておくと良いでしょう。自分で用意できるグッズを紹介します。
患部を冷やせるグッズ
寝違えた部分が腫れている、または熱を持っている場合は、患部を冷やすと痛みを軽減しやすくなります。自宅では保冷剤や冷たいタオル、出先であれば冷湿布や冷却シートなどを使ってみてはいかがでしょうか。
首用のサポーター
寝違えによる痛みがひどい場合は、首にサポーターを巻く方法があります。首を動かさず安静にしようと思っても、自分の力で完全に固定するのは困難です。ふとした拍子に痛みが走ると日常生活に支障が出てしまい、精神的にもつらくなるでしょう。
また、首周りの筋肉に負担がかかると治りが遅くなってしまうかもしれません。その点、サポーターを装着すれば問答無用で首元が固定されます。
首用のサポーターはドラッグストアやホームセンターの他に、オンラインショップでも購入できます。目立ちにくく持ち運びしやすい薄型デザインの製品であれば、職場や出先でも着けやすいでしょう。
頻繁に寝違える人は枕の買い替えを検討しよう
枕は寝心地だけではなく、寝姿勢の維持にも関わる大事な寝具です。頻繁に寝違える人は枕の高さやサイズ、硬さが合っておらず、首元に負担がかかっている可能性があるため、この機会に買い替えを検討してはいかがでしょうか。
寝心地の感じた方はその日によって異なるため、複数の枕を用意して使い分けるのもおすすめです。日頃の姿勢や疲労、睡眠環境などにも気を配り、寝違えない快適な眠りを叶えましょう。
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