ベッドの高さを決める7項目|高さ別の特徴と向いている人を解説
2023年2月24日
エムール睡眠・生活研究所
目次
部屋にベッドを置きたいけれど、高さはどのようにして決めれば良いのか悩んでしまう人も多いのではないでしょうか。
ベッドの高さは寝ているときの安定感や部屋に置いたときの圧迫感に関わるため重要です。
そこで今回はベッドの高さを決める7項目と高さ別の特徴や向いている人を解説します。
ベッドの高さの重要性
ベッドの高さと聞くとベッドフレームの高さだと思われがちですが、正しくは「ベッドフレームの高さ+マットレスの厚み」がベッドの高さです。
ベッドの高さが重要である理由は、寝ているときの安定感や通気性、転落のリスクや立ち上がりやすさ、部屋全体の圧迫感などに関わるからです。
ベッドを選ぶ際に種類や幅のサイズばかりに目が行きがちですが、ベッドの高さによって快適度が大きく変わると覚えておきましょう。
ベッドの高さによって変わること~高さを決める7項目~
ベッドの高さを決める項目は主に7つあり、どれもベッドの高さによって変わります。ベッドの高さによってどんなことが変わるのか、7つの項目をチェックしていきましょう。
立ち上がりやすさ
背の高さは個人差がありますが、ベッドは高さによって立ち上がりやすさが変わります。例えばベッドが低い場合、立ち上がるときに膝や腰に負担がかかる場合もあります。
反対にベッドが高すぎた場合、座った体勢から床に足がつかない場合、高齢者はベッドから降りる際に手すりが必要になるケースもあるでしょう。
一般的に人が立ち上がりやすいといわれている高さは40cm前後といわれています。立ち上がりやすさを重視するなら、ベッドで寝る人の身長や健康状態に合わせて選ぶのがおすすめです。
ほこりの舞いやすさ
ほこりが舞いやすい高さは床から約30cmで、ハウスダストゾーンと呼ばれています。そのためハウスダストのアレルギーがある人や呼吸器官が弱い人は、高さ30cm以下の低いベッドは避けた方が良いでしょう。
また、ベッドが高い場合にもベッド下にほこりが溜まりやすいため、定期的な掃除が必要です。
圧迫感
ベッドが高ければ高いほど部屋全体の圧迫感が増す傾向があります。反対にベッドの高さが低いと、縦の空間ができるため部屋全体の見通しが良くなり開放感が生まれ、圧迫感は少なくなります。
部屋の広さや配置を考えて、ベッドの高さを検討するのがおすすめです。
安定感
ベッドの高さによって寝るときの安定感が変わってきます。高さの低いベッドの中でも、特に床に置くタイプのローベッドは揺れにくく安定感があるといえます。
一方、高さがあるベッドは足で全体を支えるため低いベッドに比べて揺れを感じやすいでしょう。安定感を求めるのであれば低いベッドがおすすめです。
転落リスク
ベッドが低いほど転落リスクは低く、万が一落ちてしまっても軽傷で済むことがほとんどです。ベッドが高くなれば転落リスクも上がり、落下時のケガもしやすくなるでしょう。
高齢者や小さなお子さんがいるご家庭は特に、高さがあるベッドは避けた方がベターです。
収納力
低いベッドは下にスペースが少ないため、衣装ケースなどの収納はできません。高いベッドは床との間にスペースが生まれるため、衣装ケースなどを収納でき、省スペース化が可能です。
収納重視で選ぶなら、引き出し付きベッドや跳ね上げ式ベッド、ロフトベッドなど収納機能付きのベッドを選ぶ方法もあります。
寝具の合わせやすさ
ベッドの高さによって寝具の合わせやすさも変わってきます。例えば、高いベッドの場合、重量と厚みがあるコイルスプリングマットレスは使えないため、薄手のマットレスに限られます。
また、ノンコイルマットレスでも厚みが20cm以上あるものは、重量や見栄え的にも向いているとはいえません。ベッドの高さが標準的な35cm~40cmであれば、基本的にどんな寝具も合わせやすいでしょう。
ベッドの高さ別の特徴
ここからはベッドの高さ別の特徴や、どんな人に向いているかを見ていきましょう。
30cm以下
ベッドの高さ30cm以下は一般的に「低い」といわれる高さで、開放感や安定感を重視している人におすすめです。特徴は以下の通りです。
7つの項目 | 30cm以下(低い) |
---|---|
立ち上がりやすい | △ |
圧迫感がない | ◎ |
安定感がある | ◎ |
ほこりが舞いにくい | △ |
転落リスクが低い | 〇 |
収納力がある | △ |
寝具を合わせやすい | △ |
天井との距離があるため、圧迫感を最小限に抑えられます。低いベッドはベッド全体で支えるため、揺れにくく安定感もあります。また転落リスクも低いため、小さなお子さんがいる家庭にもおすすめです。
しかしほこりが舞いやすい高さのため、こまめな掃除が必要です。またベッド下に収納は難しいため、別途収納スペースを用意しましょう。
【ベッドとマットレスの組み合わせ例】
- 高さ10cmの床置きすのこベッド×厚さ12cmの三つ折りマットレス
- 高さ10cmのローベッド×厚さ20cmのボンネルコイルマットレス
すのこベッドやローベッドはフレームの高さが低いため、厚みのあるボンネルコイルマットレスとの組み合わせも可能です。
31cm〜50cm
ベッドの高さ31cm~50cmはいわゆる「標準」と呼ばれる高さで、立ち上がりやすさを求める人におすすめです。特徴は以下の通りです。
7つの項目 | 31cm~50cm(標準) |
---|---|
立ち上がりやすい | ◎ |
圧迫感がない | 〇 |
安定感がある | 〇 |
ほこりが舞いにくい | 〇 |
転落リスクが低い | △ |
収納力がある | 〇 |
寝具を合わせやすい | 〇 |
標準の高さは立ったり座ったりがしやすいため、腰や膝が悪い人に向いています。また、床から距離があることで低いベッドに比べてほこりを吸い込みにくいため、ハウスダストが気になる人にもおすすめです。
注意点は全体的に高くなることで、転落リスクも高まることです。特に小さなお子さんがいる場合はなるべく厚みのないマットレスを選ぶようにしましょう。
【ベッドとマットレスの組み合わせ例】
- 高さ30cmの脚付きベッド×厚さ15cmのポケットコイルマットレス
- 高さ23cmの折りたたみベッド×厚さ11cmの三つ折りマットレス
標準的な高さのため、ベッドの種類も豊富で脚付きベッド・ソファベッド・折りたたみベッド・電動ベッドなど、好みのベッドを選べます。
51cm〜60cm
ベッドの高さ51cm~60cmは一般的に「高め」といわれる高さで、
収納力と強度を求める人におすすめです。特徴は以下の通りです。
7つの項目 | 51cm~60cm(標準) |
---|---|
立ち上がりやすい | △ |
圧迫感がない | △ |
安定感がある | 〇 |
ほこりが舞いにくい | 〇 |
転落リスクが低い | △ |
収納力がある | 〇 |
寝具を合わせやすい | △ |
高さがありほこりが舞いにくいため、ハウスダストに敏感な人や呼吸器アレルギーの人にも向いています。
また収納力のあるベッドは強度があり、脚ではなく全体で支えるため安定感があるのもメリットです。しかし、ベッド下のすき間がないため、圧迫感は出やすくなるでしょう。
【ベッドとマットレスの組み合わせ例】
- 高さ40cmのチェストベッド×厚さ11cmのウレタンマットレス
- 高さ45cmの跳ね上げベッド×厚さ8cmのウレタンマットレス
収納付きのベッドを選ぶ場合、厚みのあるマットレスを重ねてしまうと出し入れがしづらくなるため、薄めのマットレスが適しています。
90cm以上
ベッドの高さ90cm以上は「高い」部類に入り、二段ベッドあるいはロフトベッドを置きたい人や、収納スペースを確保したい人におすすめです。特徴は以下の通りです。
7つの項目 | 51cm~60cm(標準) |
---|---|
立ち上がりやすい | △ |
圧迫感がない | × |
安定感がある | △ |
ほこりが舞いにくい | 〇 |
転落リスクが低い | △ |
収納力がある | ◎ |
寝具を合わせやすい | △ |
高さがあると収納スペースが確保できるのがメリットです。例えば高さが調整可能なベッドなら、高くするほどベッド下に収納スペースがとれます。
またロフトベッドの場合は下の空間を収納に活かせるメリットがあります。ただし天井までの距離が近いため圧迫感は出てしまうでしょう。
しかし縦の空間を活かせるため、子どもが2人以上いるご家庭なら二段ベッドを置くことで部屋のベッドスペースをコンパクトにすることができます。
【ベッドとマットレスの組み合わせ例】
- 高さ120cmのロフトベッド×厚さ11cmの三つ折りマットレス
- 高さ150cmの二段ベッド×厚さ8cmのウレタンマットレス
ロフトベッドも二段ベッドも耐荷重の関係上、重量のあるスプリングコイルマットレスは使用できません。また落下防止のため、厚手のマットレスも避けた方が良いでしょう。厚さが10cm前後のマットレスがおすすめです。
高さ別の特徴をチェックして、最適なベッドの高さを見つけよう!
ベッドの高さによって、寝ているときの安定感や立ち上がりやすさ、転落リスク、収納力など、主に7つの点が変わってきます。
今回紹介した7つの項目をチェックしながら、最も重視したい部分はどこなのかを考慮し、高さを決めるのがおすすめです。
ぜひ、自分や家族が安心・安全で快適に眠れるベッドの高さを見つけてみてくださいね。