枕の基本サイズは3種類|自分に合ったサイズやカバーの選び方を解説

2023年2月2日

エムール睡眠・生活研究所

枕は寝心地や睡眠の質を左右する寝具です。しかし、枕には多種多様なサイズがあり、同じ枕でも合う・合わないは人によって異なります。快適に眠るためには、自分に合うサイズの枕を使うことが重要です。

今回は、枕の基本サイズと非標準サイズの計6種類を紹介します。自分に合う枕のサイズや、枕カバーの選び方を押さえていきましょう。

枕のサイズ│基本の3種類

枕にはさまざまなサイズがありますが、基本となるのはセミシングル(小さめ)シングル(標準)セミダブル(大きめ)の3つです。

枕のサイズ 縦幅×横幅
シングル 43×63cm
セミシングル 35×50cm
セミダブル 50×70cm

それぞれの特徴と、使用が向いている人を紹介します。

1. シングルサイズ

43×63cmのシングルサイズは、枕の標準とされる大きさです。各メーカーから多くの種類が販売されていて、枕カバーも豊富です。

シングルは日本人の体型や布団に合うサイズなので、老若男女を問わず使用できます。枕のサイズ選びに迷ったときは、シングルにしておくと間違いないでしょう。

2. セミシングルサイズ

35×50cmのセミシングルサイズは、標準サイズのシングルより一回り小さい大きさです。メーカーによっては「小さめ」と表記されることもあります。

使用が向いているのは、子どもや体格の小さい人です。反対に、体格の大きい人が使うと窮屈さを感じる恐れがあります。

3. セミダブルサイズ

50×70cmのセミダブルは、標準のシングルより一回り大きいサイズで、「大きめ」と表記されることもあります。縦幅・横幅ともに余裕があるので、枕に包み込まれるような感覚を味わえます。

セミダブルは横幅が70cmもあるため、寝返りを打っても頭がずれ落ちにくいのがメリットです。寝返りが多い人や横向きに寝るのが好きな人、体格が大きい人に向いています。

枕のサイズ│その他3種類

枕には、非標準とされるサイズも存在します。

枕のサイズ 縦幅×横幅
正方形 60×63cm
大きめな正方形 80×80cm
ロング 43×100cm

これらの枕は使用目的に応じて選ばれることが多いです。なお、枕のサイズを使用目的で選ぶポイントは次の章で紹介します。

自分に合った枕のサイズの選び方

枕のサイズ選びに迷ったときは、使う人の体格と寝返りのしやすさ、使用目的に着目すると、適した一品が見つかりやすくなります。それぞれの選び方を解説します。

体格で選ぶ

枕のサイズを選ぶ際は、使う人の体格を考慮します。例えば、体格の大きい人がセミシングルサイズを使うと、寝返りを打った際に頭がずり落ちたり、窮屈さを感じたりする恐れがあります。

身長や体型を一括りにするのは難しいですが、「小柄」「中柄」「大柄」に分類すると以下のサイズが目安です。

体格 枕のサイズ
小柄 セミシングル
中柄 シングル
大柄 セミダブル

ただ、上記はあくまでも目安ですので、実際のフィット感は店頭で試すことをおすすめします。

寝返りのしやすさで選ぶ

人は、誰しもが睡眠中に寝返りを打っています。枕のサイズを選ぶ際は、寝返りの大きさも考慮しましょう。

枕のサイズが体格に合っていたとしても、寝返りが大きいと頭が枕からずり落ちてしまうことも。例えば、女性がセミシングルサイズ(35×50cm)の枕を使用していたとします。大きな寝返りを繰り返しているうちに、枕からはみ出てしまうかもしれません。

寝返りの大きさと枕のサイズが合っていないと、睡眠の途中で目が覚めてしまう、寝返りが打ちづらいなど、寝心地や睡眠の質を悪化させる恐れがあります。

寝返りが多い、または寝相が悪い人は、大きめのセミダブルサイズ(50×70cm)を選ぶと、快適に眠れるでしょう。

使用目的で選ぶ

枕の基本サイズであるセミシングル・シングル・セミダブルは、基本的に一人で使用する大きさです。枕を活用したい、パートナーや子どもと一緒に使いたい、抱き枕としても使いたいと考えている場合は、非標準サイズが適しています。

<枕を活用したい>
非標準サイズの正方形(60×63cm)と、大きめの正方形(80×80cm)の枕は、ベッドに座った際の背もたれやクッションとして活用できます。読書をしたり、スマホを操作したり、ベッドの上で快適に過ごしたいと考える人におすすめです。

<他の人と共有したい>
子どもやパートナーと一つの枕で寝たい場合は、ロングサイズ(43×100cm)の枕が適しています。セミシングルサイズより約50cm、シングルサイズより約40cmも横幅が長いので、二人で寝てもそこまで窮屈には感じないでしょう。

ただ、無理して一つの枕で寝ると寝心地の悪化につながるため、普段使い用の枕を個別に用意しておくことをおすすめします。

<抱き枕としても使いたい>
頭の下に置くものとは別に、抱き枕としても使える枕が欲しい場合は、大きめの正方形やロングサイズが適しています。

大きめの正方形サイズの枕は、足と足の間に挟む下半身用の抱き枕として使えます。ロングサイズは横幅が100cm以上ある製品もあるので、抱き心地を考えながら選ぶのも良いでしょう。

枕のサイズに適したカバーの選び方

自分に合った枕を決められたら、次は枕カバー選びです。枕カバーは各メーカーから多数販売されています。選ぶ際は、装着方法・素材・サイズに着目しましょう。

装着方法で選ぶ

枕カバーの装着方法には、ファスナー式封筒式があります。

<ファスナー式>
ファスナー式は、ファスナーがサイドについている枕カバーです。枕をセットした後はファスナーを閉めるので、使用中にカバーがずれる、外れかかるのを防げます。

ただ、寝方によってはファスナー部分が顔に当たり、痛みや違和感を覚えることがあるかもしれません。

<封筒式>
封筒式の枕カバーは横の片側が開いており、そこから枕を差し込むタイプです。カバーの横幅は枕より20cm程度長く、差し込んだ後は布を下に折り込んでフィットさせます。

封筒式の枕カバーはファスナーが使われていません。そのため、金属部分が顔に当たることはありませんが、使用している間に枕がずれる恐れはあります。

素材で選ぶ

枕カバーの素材は、主に次のようなものがあります。

  • コットン
  • リネン
  • タオル地
  • ガーゼ
  • シルク

枕カバーを気軽に洗濯したい場合は、コットンやタオル地がおすすめです。

ただし、コットンは洗濯を繰り返すと縮んでしまうことがあります。また、洗濯機が使用できる場合とできない場合があるため、必ず洗濯表示マークを確認してから洗うようにしましょう。

サイズで選ぶ

基本的に、枕カバーは枕と同じサイズのものを選びます。例えば、シングルサイズの枕の場合は「43×63cm対応」「シングルサイズ用」などと表記されたカバーを選びましょう。

使用している枕のサイズが分からない場合は、メジャーで縦と横の長さを測ってからカバーを選ぶと確実です。

その他、枕を購入したお店で相談する方法もあります。枕に適した枕カバーを教えてもらえるだけではなく、睡眠に関わるお悩みも解決できるかもしれません。

自分に合うサイズの枕で快適な睡眠を

枕の購入を考えた際は、「無難にシングルサイズで良いかな?」と思うかもしれません。しかし、体格や寝返りの大きさ、使用目的によって、合う枕のサイズは異なります。快適な睡眠を叶えるため、自分に合うサイズの枕を選びましょう。

なお、寝心地はその日の気分や体調などによっても変わります。自分に合うサイズの枕を複数個用意して、使い分けるのもおすすめです。

執筆者/監修
Author

エムール睡眠・生活研究所

  • 【所長・主席研究員】神川 康子 富山大学 名誉教授 博士(学術)一般社団法人日本睡眠改善協議会理事。日本眠育協議会理事。富山県公安委員会委員。富山県社会福祉協議会理事。
  • 【所属有資格者】 日本睡眠改善協議会認定 上級睡眠改善インストラクター 1名/睡眠改善インストラクター 6名 日本睡眠教育機構認定 睡眠健康指導士上級 2名/睡眠健康指導士 11名
  • 【活動内容】 「続けられる具体的な睡眠改善」をテーマに、専門的な見地からのデータ収集と分析及びソリューション開発を目的として設立。 寝具や寝室環境に関する調査研究や睡眠教育など広く社会に役立つ研究開発と知識啓発を行っている。 詳細はこちら https://nemuri-kurashi.jp/activities/